Better Software Testing

ソフトウェアテストをもっと良くしたい

受動的なエンジニアを変えるには

www.juse.jp

面白い研究テーマだと思ったので、つい読んでしまった。

僕は、受動的な業務態度が必ずしも悪いことだとは思っていない。受動的であっても言われた仕事を愚直にこなし続けることのできるタイプの人というのはいて、実は結構リスペクトしていたりする。だが、現場の悩みとして能動的な人が増えてほしい、というのも現実的にあるんだろうと思う。

今回の研究で提案されているCLDATは、筋が通っていてわかりやすい手法だと思った。能動的エンジニアと受動的エンジニアの違いを明らかにできたという点も素晴らしいと思う。受動的エンジニアは、「当事者意識を持って課題分析できない」という特徴があるらしく、まぁ確かに積極的な姿勢でないと難しいのかもしれないな、と感じた。研究では、エンジニアが受動的になってしまう要因についても調査がされており、興味のある方は読んでみるとよい。

ところで、これは野暮なツッコミなのかもしれないが、研究背景を読んでいると、

  • リーダーから確認されるまで進捗遅れを報告しない
  • メンバーが自ら不明確な箇所を解消しようとせず、放置する
  • リーダーに促されるまで検出した障害の報告をしない

という行動特性を持つ人が「受動的なエンジニア」と表現されているのだが、これは受動的か能動的か、というよりももっと別の問題なのでは、という気もした(受動的であっても、言われたことをしっかりこなす人なら問題を放置したりしないと思う)。

いずれにせよ、現場のリアルな課題に向き合っている良いテーマだと思った。今回は受動的な人を能動的に変化することによってリーダーの悩みを解決するものであったが、今後の展開としては「受動的な人をいかに動かすか」というリーダー目線の研究があってもよさそうだと感じた。